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新ヒーロー、モイラの影響力はまずまず?OMNICMETA調べ



先週からランクマッチでの使用が可能になった新ヒーローのモイラですが、彼女の性能やゲームに与える影響をデータ的に分析したOmnicmetaのリポートです。

Healing Capability

1試合あたりの平均ヒール量は現時点で、ブロンズとシルバーを除くとマーシーに次いで2番目、高ティアーではマーシーとも競合している。低ランク帯ではルシオのサウンドバリアがより安定している。ほとんどのティアーでマーシーとの差は15%、アナより25%ほど平均回復量は多い。モイラがまだランクマッチに実装されて間もないことを考慮すると、プレイヤーが彼女を理解するにつれ、この数字は上がり続けるかもしれない。ひとつ確かなことは、ヒールビームのリチャージ制限はそれほど彼女の回復能力を制限してはいないということだ。

ブロンズからグランドマスターにかけてグラフの曲線はアナよりもさらに急勾配だが、これは高いスキルがあるほどモイラを効果的にプレーできることを示している。さらに、高ティアーでは彼女のヒールビームが最大限に活きる連携が取れていることを示すものと言えるかもしれない。

興味深いデータは防衛アシスト(キルを回復でアシスト)で、これはチームファイトにおいてどれだけアクティブに回復していたかを示唆している(ダメージバフは攻撃アシスト)。モイラの1試合あたりの防衛アシスト数はアナとほぼ同等の数値を示しており、ほとんどの時間をヒールに費やしているマーシーより30%ほど少ない。このデータからもモイラが他のヒーラー同様にチームファイトでは多くの時間を回復に費やしていることが分かる。

Offensive Capability

モイラのスキルで最も興味深い機能は、ヒールビームを効率的にリチャージするためには、着実にダメージを与える必要があることだ。多くのプレイヤーがキル数でのゴールドメダルが多いと感じているかもしれないが、これはデータ的にも実証されている。モイラの1試合あたりのキル数は他のどのサポートヒーローよりも多く、「DPSサポート」のゼニヤッタよりも多い。平均キル数は20~25で、これは非サポートヒーローであるジャンクラット、ロードホッグ、ウィンストンと同じ範囲であり、シンメトラとの比較でもこれを大幅に上回る。

しかしながら、モイラの武器そのものはダメージ出力に乏しく、多くのプレイヤーが攻撃面でのインパクトはそれほどでもないだろうと評価していた。武器の火力が少ないというは点は、正確なエイムを必要としないという事実によって打ち消されている。ロックオン能力は彼女にとって重要な要素であり、結果的にアナ、ルシオ、マーシーのダメージ量を上回っている。唯一ゼニヤッタには遅れを取っているが、ゼニヤッタが調和のオーブの性質上、より攻撃に集中できるヒーローであるのに対して、モイラはダメージ/ヒール両方をプレーに織り込んでいく必要がある。ダメージ量は別の見方をすると、ソンブラやウィンストンと酷似しており、このことからも彼女には攻撃面でも脅威を与える存在となり得る。

Moira’s Ultimate” Coalescence

これまでモイラのコアレッセンスの性能について議論されてきたが、ゼニヤッタの心頭滅却と比較すると興味深いことが見えてくる。モイラのUltは回復量が140HP/秒、ゼニヤッタは300HP/秒であり、一見するとモイラの回復性能は劣って見えるが、1試合あたりのUltヒール量はゼニヤッタとの比較で-20%程度であり、それほど大きな差はなく、高ティアーになるほどその傾向にある。これは結果として、モイラのUltの回転率がゼニヤッタに比べてかなり高いという事実を示すものと言える。

コアレッセンスは一方で、ヒールだけでなくダメージも与えることができるが、この能力は味方を回復するのか、相手にダメージを与えるのか、更にはその両方かを選択するスキルであり、アナのグレネードと似たようなの性質を持っている。上記データは1試合あたりのUltによるキル数を他のオフェンスヒーローと比較したものだが、これらのヒーローと比較してもまったく遜色ないだけでなく、マクリーのデッドアイやソルジャーのバイザーをも上回る数値を示している。コアレッセンスのDPSは他のオフェンスヒーローほど高くないにも関わらず、オフェンスヒーロー並のインパクトを与えているように見えるのは、別な見方をすれば、彼女のUltがソロキルよりもチームファイトでの勝利に適したスキルであることを示しているのかもしれない。

Hero Meta and Winrate

現時点でモイラの使用率は全体の25%に達しているが、今のところマスターとグランドマスターでは低くなる傾向にある。彼女はまだメタの重要な部分を占めているとは言えず、現時点でそれはマーシーとアナということになるが、ルシオ、ゼニヤッタと差のない使用率は彼女がオフサポートとしてピックされていることを示しているようにも見える。新ヒーローのデビューという点では、ソンブラやオリーサよりもアナやドゥームフィストと似た扱いを受けているが、少なくともリリース後すぐにナーフされたドゥームフィストほどOPではないように思う。彼女のパフォーマンススタッツを見ても、モイラは非常に強力で、高いスキルキャップを有する、ともすれば、チーム構成やマップに依存するヒーローと言えるのではないか。

モイラの勝率は凡そどのティアーにおいても平均的な数値を示している。これはサポートとして可もなく不可もなくといったところ。マーシーとゼニヤッタの勝率は相変わらず高い値を維持する一方でアナは依然として低い状態にある。勝率的にモイラと最も近いのがルシオだが前者のほうが僅かに良い結果を残している。既に述べたようにモイラはランクマッチ実装後間もないためプレイヤーが彼女の理解度深めプレーを改善するにつれてこの数値が上昇してく可能性が高いように思う。しばらくして、今後のメタリポートは彼女の勝率にフォーカスしたものになるだろう。

Summary: Moira, the Dark Queen of Overwatch

開発チームは、メインヒーラーが攻撃面でもインパクトを与えることができるというモイラのコンセプトをうまく実現できたように思う。コミュニティの間では、モイラには制限されたヒールとダメージレンジ、そしてリソースマネージメントやチーム行動を必要とするといったある種の制約がつきまとうとの評価もあるが、にも関わらずゲーム内でのインパクトという点では、プレイヤーがまだ彼女を完全にマスターしたわけではない今でも存在感を発揮している。モイラは多くのカテゴリで#2のサポートヒーローであり、ヒール量ではマーシーに迫り、攻撃面ではゼニヤッタに匹敵(または凌駕)する。勝率的にもまずまずでマイナスに作用するものはそう多くないように見える。ヒーローメタ的には一般的にオフサポートとしてピックされ、ヒール量でマーシー/アナを上回ることがあってもメインヒーラーにはこの二人が選ばれているように見える。全体として見ればモイラは現状のメタで成果をあげることができるグレートなヒーローと言える。